別冊クリナリオ|イタリアの食材とワイン 池田美幸














サンゴ草、またはアッケシソウ、と言ってもピンとこなくても、9月にこの草がサロマ湖、あるいは能取湖を真っ赤に染める、と言うとわかってくださる方が多いかと思う。

日本では天然記念物に指定されているこの草、実はイタリアでは海のアスパラ(Asparagi del mare)と呼ばれ、食用とされている。

海辺に育つ草で、緑色の時は、見た目がスギナに似ている。


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ミラノでこの草が食用として売られ始めたのは、数年前ほどである。魚屋で見つけたこの草、考えてみたら魚屋で野菜を売っているのも不思議だけど、食べることへの好奇心旺盛な私が手を出さないはずはない!

塩性植物という分類に属すだけあり、しょっぱい!

まずは硬そうなところを取り除き、流し水で10分ほど洗う。
その後、15分ほど茹でる。この時に絶対塩を入れてはいけない。この草本来が持っている塩分だけで充分!

そして、フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れ炒め、ニンニクの香りをつけてから、茹でたサンゴ草を加え、炒める。

しゃきっとした食感が何とも言えない。その上、みずみずしいし・・・緑色がとても鮮やか!


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サルデーニャ島や、シチリア島の海辺でよく見かけるこのサンゴ草。
でも地元の人が採っているのに出会ったことはない。なぜかな?
イタリア在住の日本人でも食べたことのある人は少ないと思う。そしてサンゴ草だと知っているのは、もしかしたら私だけかも・・・



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ここまで私の拙いコラムを読んでくださった貴方! お願いですから日本のサンゴ草を採って食べないでくださいね。しつこく言いますけど、日本では天然記念物ですから!

ぜひ、夏イタリアにいらしてお試しください。とは言ってもどこでも食べられるわけではないですけど・・・。
ごめんなさい・・・なかなか口にできない食材のお話をしてしまって。

でも、所変われば、天然記念物が食卓に上るっというのも面白いな~、皆さんに知ってほしいな~と思ったので。

このみずみずしいサンゴ草には、キリッと冷やしたシチリアのワイン、インツォーリアを合わせるのはいかが? 白い花の香りにあふれ、心地よい酸がこのサンゴ草に味を引き立てること間違いなし!







池田美幸 いけだみゆき
通訳者、翻訳者。イタリアミラノ在住。
イタリアに留学、イタリアの食文化を学ぶ。その後、イタリアでソムリエ、オフィシャルテースター、チーズテースターなどの資格を取得。現在、食・ワインに関わるコーディネート、通訳、翻訳を行う。
本誌「ワイン翻訳」でもおなじみ。

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